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【Farm sharingにかける想い】

Farm sharingが誕生した時、いろんな人からフランチャイズ化したらいいんじゃないかとか、パテント取ったらいいんじゃないかとか、言われました。

でも、川原の想いとしては、同じ同業者として苦しみは分かるし、疲弊する農家から少額であろうとも搾取するような事はできないという想いで、真似できるなら真似してオリジナル作って使ってくださいって、言い続けて今年3年目。

ようやく、この仕組みを使わせてほしいです。真似します。の声が少しずつ広がってきています。

​Farm sharingの川原の頭の中は3分の1の面積で3分の2の事業収益を収穫前から上げていく事で雇用を安定させ、残った3分の2の面積で自由な農業に挑戦し、高品質な農産物をJAや市場などの市場原理に基づく価格取引の市場流通に載せて、リーズナブルに日本中にその農産物を波及させると言うイメージです。

文章で書くと、イメージは湧きにくいかもしれませんが。

Farm sharingの仕組みによって、何を成すのかと言うと、農業者人口の拡大、拡充です。

川原農産が抱える一番の課題は、従業員問題です。

これは、私が就農した2000年からずっと24年間何一つ変わらない課題です。

この24年間、農業者人口は減り高齢化は進み、社会的に見ても何一つ課題は解決されていない。結果政治的な政策を待っていても、農業者が生かされるような仕組みは生まれないという事だと思います。

十分な賃金と休暇、福利厚生。

労働環境を整える事ができれば、私は魅力ある産業だと思っています。

何よりも、自分自身が年々面白くなっている状況なので。

この雇用を安定させる仕組みがFarm sharingです。

事業収益に占める人件費の割合が3分の1を超えてくると、その事業は危ないと一般的に言われます。

だから、単純に自分の経営面積の中で何人の正規雇用が必要なのか?

その労働賃金をどれくらい必要なのか?

これを先に算出し、年間で必要となる労働賃金の総計を決めます。

そして、その年の事業収益目標をその3倍以上に定めます。

人件費から割り出す、農業の事業収益を作り上げる考え方は、一般的には異質なものだと思います。

なぜならば、面積当たりの農産物の収穫量と概ねの単価で面積当たりの収益を割り出しているのが一般的なので、市場原理に基づく価格帯で割が合わないから、自主流通によって価格を上げて売り上げ増を目指す方向が一般的にとられているからです。

しかしながら、収穫してから現金化していく農業で、収穫時には市場原理に基づく価格が影響し、原価割れしたとしても出荷せねばならないような業種では、安定した雇用に十分な人件費を充てる事は困難です。

だからこそ、十分な人件費を先に算出し、その必要な部分を収穫前から現金化する仕組みをもって安定した農業経営を行う事が、これからの日本の農業の基盤強化につながると私は考えています。


3分の1の面積で、事業収益目標の3分の2を収穫前から現金化することは、人件費を確保するだけでなく営業費も確保することとなります。

つまり、挑戦ができる余力がつくという事です。

余裕があれば、常に革新的な技術を模索し、より良い商品を生み出す事に研究ができます。

このゆとりあるキャッシュフローを生み出す農業が、私は重要だと考えています。

人件費と営業費が確保された中で、通年雇用が確約されれば、残った3分の2の面積では自由な農業に挑戦することが可能となります。

そこでは、無農薬栽培であろうと、有機栽培であろうと、自然農であろうとやりたい農業に挑戦すればよいのです。

そして、その3分の2の面積でできるハイクオリティーな農産物は、一切高値で売る必要がありません。

JAや市場といった、安価な市場流通に全量出してもかまわないのです。

それは、すでに3分の2の事業収益が確保されているならば、残りは3分の1の事業収益を無理なく目指せばよいので、鮮度品であり保管費用を無駄にかけずに市場流通へと一気に出荷してしまえばよいのです。

そうすると、イメージしてください。

もし、日本中でこの取り組みが採用されていたと仮定すると、日本国土で生産される3分の2のハイクオリティーな農産物は安かな市場流通に乗って、全国各地へ行き届く事になります。

そうすると、学校給食もわざわざ有機栽培をとか自然農の野菜をとか言わなくてもよくなります。

つまり、どんな所得者層であっても、何処で誰が何を手に取ったとしても、良い農産物か良い食品が享受できる日本になります。

だからこそ、川原農産はJA解体という事は、ありえない話だと思っています。

日本中で、良い食が出回れば、それを食べる子ども達の体はより良くなっていきます。

子どもの体がより良くなれば、子どもの未来もよりよくなります。
子どもの未来がより良くなれば、日本の未来もよりよくなります。

だからこそ、Farm sharingは川原個人で囲うようなものでなく、自由にいろんな農家さんがオリジナルを生み出すきっかけになればと思っています。

より日本中の農家が使いやすくフリーにすることが、Farm sharingを加速させると考えています。

こんな想いにご共感いただける方、是非川原と自由な農業に挑戦していきましょう!

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