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地割れした田んぼでの水稲栽培

6月11日、石川県内のNHKニュースで取り上げていただきました、地割れして水が引き込めない田んぼでの水稲栽培について解説します。

放送内で特殊な処理と表現されていたものは、マイコスと言う菌根菌資材を使って、種子処理を行った種籾の事です。

ご覧の様に、股下くらい地面が割れ下がっているこの田んぼ。
普通に考えれば、水が張れないし、水が溜まらない所では田んぼとして機能せず、稲作は不可能と言うのが一般常識です。

マイコスDDSRへの取り組み

昨年、大学時代の同級生からマイコスと言う菌根菌資材で、水無でお米が作れた実績が上がってきたと電話が入りました。
マイコスで検索すれば、多数のYouTube動画が出てきますので、気になる方はご覧いただければと思います。

1月1日の能登半島地震では、当地域を囲むようにしてある山々が崩落し、地域の家屋が多数倒壊。その下敷きとなってお亡くなりになられた方も数多くいらっしゃいます。

小さな小高い山々の合間にある町野町は、奥能登の中でも一番大きな河川「町野川」流域にあり、平野部も比較的多い地域で、穀倉地帯として農業も行われてきました。

しかし、今回の地震による影響は予想をはるかに上回る長い揺れによって、このような地割れも大小さまざま発生し、水路やパイプラインの破壊もあり、2月の段階では9割以上の田んぼで稲作が不能になったという状況でした。

国、県、市町は、春の農繁期までに水利を間に合わせる。復旧させるとは言っていたものの、それに対する確約は100%とは言えない状況。
もし、水利が復旧しても、田んぼが地割れしている状況では水を引き込めない状況にある事から、水を張った今までの稲作では難しい状況でした。

そこへ、同級生からのコンタクトをもらい、今こそ実験すべきと取り組んだのが、マイコスによる無水水稲栽培になります。

※DDSR=Dry Direct Seeding Riceの略。いわゆる乾田水稲種直播だそうです。

マイコスDDSRに取組んだ理由

水無しで2023年すでに、栽培された事例が各所出ている事。

いろんな条件下でも効力が発せられるよう、菌根菌の中でも幾種類もの菌根菌で造られた資材である事。

根に感染した状態で、作物と共生を図り、菌糸のネットワークを介して、水のある所から無いところへの供給へと菌がサポートし、作物を水の少ない環境下でも生かす仕組みがある事。

まさに、能登の田んぼで置かれた厳しい条件下は、マイコスの実験をするべきと導かれているかのようでした。


そして、少子高齢過疎の最先端地域と揶揄される奥能登においては、人口減少が地震が起きる前から懸念事項として挙がっており、その人口減少が、一気に起きたのが現状です。

集落の財産として、集落が管理する農道や水路の管理がままならない状況下に置かれ、水を引き込めない状況が出てくれば、水稲栽培をあきらめざるを得ません。

しかし、今回の地割れの様に、水を入れることができない田んぼで、もし水稲品種の栽培ができてしまえば、これはこの先起きる人口減少していく日本の僻地の農地の維持管理に光が見えます。

稲作は、機械化されている事から大規模面積を栽培管理しやすい作物である事。お米は一粒から1000倍ほどに、種を増やすとてもエネルギーの強い作物であり、糀を作る過程で必須アミノ酸が生成される事から、日本人の健康の維持管理の為には必須と言える作物である事。

人口減少に合わせて、農家数も減少していけば、結果として国防は揺らぎます。

食べるという事は生きる事です。

生きるために食べる。食べ物を全国民へいきわたらせるその根幹を担うのが農家であり、それを容易にしているのが稲と言う作物です。

高齢化・過疎化・農家離れ・いろんな要因が重なっていく事で、日本の食の問題は大きな課題ともいえます。

このマイコスDDSRの仕組みが、日本中の人口減少により、離農者増により維持管理できなくなっていく農地における光となるはずです。

これからの課題

雑草処理が大きな問題です。

水がある事で、水を張る事で、雑草の抑草効果もあり、いろいろな利点がありました。
しかしながら、水を張らない事での雑草の抑草を除草剤を多用せざるを得ないのではないかと言う見方もあります。

ココが課題であり、これから改善できる余地のある所です。

無肥料・少量施肥のファスティング農業に取り組む川原農産。ここでも無肥料による作物の変化を読み取りいかに化学的なものを減らす事ができるのかを検証しながら進めていきたいと思っております。

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