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能登の里山里海

2011年、先進国初、日本国内初、佐渡と共に世界農業遺産(GIAHS)に認定された「能登の里山里海」

令和6年能登半島地震によってその大半に大きなダメージを受けた事は言うまでもない。

4市4町にまたがってGIAHS認定を受けているという事は、具体的にこれと指定されたものではなく、能登で築き上げられてきた、伝統であったり文化出会ったりが、後世に引き継ぐべき価値ある物として認められたという事であろうと理解している。

そして、その伝統や文化は人がいなければ生まれる事もなければ、引き継ぐこともできないのが現状であることは、事実であろうと思う。

震災がなかったとしても、数十年の後に人口が流出し減少し、奥能登はその機能を失っていく事は必至の状態であったが、震災によって住む家を失い、仕事を失い、外へ出ざるを得ない人も多数発生し、未来がグッと短縮されて訪れたと言われているのがいまだ。

そして、復旧復興を目指す形で各所取り組まれているが、確実に言える事は元通りに戻る事はない。

時間はまず、巻き戻す事も出来なければ、人の年齢だって止める事はできない。過去に戻る事ができない中で100%戻す事は不可能だ。

そして、悲しくも倒壊家屋の下敷きや土砂に巻き込まれた人など、命を失った人達の命も戻る事はない。

現実を受け止めた時、戻す事に力を注ぐよりも、これからの未来をどういう風に作っていくのかが大事だと私は考える。

そして、誰しも限りある人生の中で、生命の本分である命をつなぐという事を考えるとき、「今だけ、ココだけ、自分だけ」この考え方では未来がない。

未来を考えるとき、まず重要になるのは子ども達だ。

子ども達が安心安全に過ごせて、更に次の世代へとバトンがつなげる未来をどう作るかが今を生きる大人の責任だと考える。

私たちが、先祖より与えてもらった「能登の里山里海」を未来の子ども達のためになるようにどう残していけるのか、どうつないでいけるのか、この点を残された人は真剣に考えるべきだろう。

能登の里山里海と言う、世界からも認められた自然と調和して作り上げてきた生活文化を今一度創る必要がある。戻す事はできないのだから。

今ここから重要なのは、新しい伝統文化を残された人、関わる人でどう作り上げ、後世へ繋いでいくのかだと思っている。

そのために、(有)川原農産は自分たちの出来るところからスタートして、新しい農村を輪島市町野町から立ち上げていきたいと思っている。

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