あけましておめでとうございます。と言う言葉が本当に正しいのかどうか、今の現状なかなか素直に受け入れがたい気持ちの年明けを迎えました。
令和6年は元旦から能登半島地震によって、全てを狂わされてのスタートで、やること成す事が後手後手の状況の中、沢山の皆様のご支援応援を賜り、やり過ごす事が出来ました。
心より御礼申し上げます。
現状ですが、はっきり言って復旧もまだ道半ばと言うのが、私の見立てです。
中には、復興してきていると実感している人の割合が6割を超えているという風に言う人もいますが、全くその実感はありません。
能登半島地震で町内へ続く道は全方位で寸断され、自然ダムができていたものが9月21日の豪雨災害によって全て消滅したと言われる、我が町である町野町は、仮設住宅への入居等も概ね進んではいるようですが、農地には土砂・瓦礫・流木・ゴミなどがまだ散乱している状況が各所あり、本年の耕作が何処までできるのかすら見通しが立ちません。
復旧スケジュールを出してほしいと願うも、予算に応じた動きと賃金に見合わない労働環境に人手も集まらずの中、晴れ間のほとんどない北陸の冬へと突入してしまって、更に後れが必至の状態です。
この状況を鑑みて、本年の農業生産に対する皆様へのお約束が中々できません。
しかし、このままではいけないという思いや、この先における農業生産の継続や、農地やその集落の維持継承に向けての取り組みも並行して考えねばなりません。
そこで川原農産として、集落・農村・農地の維持継承に向けて地元農業者との連携、集落組織との協調、新しいコミュニティーの創造をし、完全復旧するまでの間に基盤を整えねばならない事に、注力をする1年として活動をしていきたいと考えております。
輪島市町野町の難点は、輪島の中心地から東部に外れた場所に位置する事。流通・交通面の不便利さから注目度も低く復旧復興スピードが遅い事。居住空間が少なすぎて町内での活動が中々スムーズにできない事などがあります。
これらを解消するのは、本来行政の仕事だろ!と行政をあてにしても、中心地から外れた場所には、中々補填される事はありません。
ですので、川原農産としては独自に居住空間の準備に向けてアクションを起こし、何とか滞在できる環境をと整えるべく取り組んでおります。
12月には、町内で初めてインスタントハウスを3棟設置していただきました。
この後には、モバイル住宅も建築していただく運びになっております。
これらを運用して、地域の保全や農業の振興へと取り組み、弊社だけでなく町内の農業者が明るく前を向いて活動できる道筋を、民間ベースで作り上げる覚悟です。
完全な復旧から再興していくまでの道のりはまだまだ遠いものです。
ゴールが見えません。
それでも歩むしかありません。その長い道のりを、できれば一緒に伴走していただけたら幸いです。
本年も引き続き、ご指導・ご支援・応援のほどよろしくお願いします。
1681年天和元年創業
百姓一系・九代目与三郎
笑顔生産法人 有限会社 川原農産
代表取締役 川原應貴