ブログ

【1】ファスティング農業論+超低コスト水稲栽培論

はじめに

「ファスティング農業」とは、有限会社川原農産 代表取締役 川原應貴が命名した造語です。

人間が体調を戻す為に使う手法の一つに「ファスティング=断食」があります。

肥料を食べ物に置き換えたイメージで、肥料を断つ農業でファスティング農業と命名しました。

ファスティング農法と呼ばず、「ファスティング農業」と呼ぶには理由があります。

農法とは、作物を栽培するにあたっての方法であり、その方法と違う技術や作業を加えると違う方法となる私は感じています。

したがって、「農業」と言う呼び方にするのは、人によって・場所によって・環境によって自由に変化させることができるやり方であるとしたかったからです。

もし、真似をしたい人が出たとしても、その地域に応じてアレンジしていく事ができる。

それが「ファスティング農業」です。

「超低コスト水稲栽培」は、ファスティング農業をしていく中で確立してきた、水稲栽培の一つの技術です。

農業は、生産するだけでは継続した経営ができません。

継続経営をし、次世代へ継承していく事業としていく為に、利益を出せる事業にならなくてはいけません。

残念な事に、農業は儲からない産業の代表格になっています。つまりは利益が上げられない産業という事です。

中には何千万何億と利益をだせる農業経営者もいるでしょうが、残念ながら大半の農業者は利益を出せずにいるのではないでしょうか?

ファスティング農業の副産物として生まれた、「超低コスト水稲栽培」では収穫量は減ります。しかしそれ以上にコストが大幅に激減する事が最大の利点です。

商品点数×単価=売上

この計算式がある以上、耕作面積で最大限収穫量を上げる事が、売り上げを伸ばす事であるという常識が農業経営者の中には多く存在すると思います。

単位面積当たりの収穫量を上げる為、肥料を投下し、農薬を投下し、それに伴う機械設備に投資をし、燃料費と人件費と材料費をかけ栽培を行うわけです。

かけた費用と得た利益

つまりは、費用対効果で利益幅を考えた栽培方法を探る中で、多くの農家が挑戦しにくい「肥料を断つ」と言う選択肢を「ファスティング農業」と言う視点で取り組んだ結果生まれたのが「超低コスト水稲栽培」になります。

一例ですが、(有)川原農産の令和5年の栽培実績では、反収平均390㎏でした。

1反当たり、使った材料費(種、床土、農薬など)を合計すると約5500円程度。四捨五入しても6000円程度の材料費でした。

一般的に個人の水稲農家さんでは、苗を購入したり肥料・農薬を購入したりと材料費だけでも、25000円~30000円ほど投入すると言われています。そしてそこから得る反収は500㎏程度を目指して栽培すると言われます。

多収米を栽培するプロ農家に至っては600㎏オーバーを目指している事でしょう。

収穫量から割り返した、1㎏あたりの材料費で言うと、

6000円÷390㎏=15.38円

25000円÷500㎏=50円

25000円÷600㎏=41.67円

圧倒的なコストの違いがココにあります。

肥料を2倍投下したら、2倍の収穫量があるわけではありません。

価格2倍の肥料を投下したら、2倍の価格で取引されることはありません。

生産量とそれに見合ったコストが算出されると、継続経営できる道がそこに開けます。

これらの情報を10年かけて、取り組んで体系化してきたのが(有)川原農産です。

この情報は、同業者の中で誰かのお役に立てたのであればと言う思いから発信していきます。

令和7年は米価が暴騰し、米農家からすると息を吹き返した感もありますが、米がだぶついているという点は隠しきれず、今後下落していく事も危惧されます。

全ての物価が上昇していく今、機械設備費・肥料農薬費・種苗費・人件費・この上昇率に見合った農産物の価格を望んでも、市場原理に基づく価格で取引される農産物は、中々日の目を見る事は出来ません。

であるならば、今までと同じ手法で取り組みますか?

今までの手法の中に疑問は無かったですか?

違う方向性で取り組む、挑戦する覚悟はありますか?

継続継承できる経営体質にしていきたいですか?

もし、今取り組んでいる、栽培スタイルで利益が出ているのであれば、それは素晴らしい経営をなさっていると思いますので、スタイルの変更はしなくても良いと思います。

逆に、利益が出ず解決の糸口が中々見いだせない場合、今まで見向きもしなかった栽培方法が一つの活路になる可能性を秘めています。

そんな一助になればと思っています。