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【7】超低コスト水稲栽培の利点2(種苗費)

水稲栽培を行うに際し、種苗費・肥料費・農薬費などの原材料費が必要になります。

各地域や、経営規模によって、資材の仕入れ先や割引率など違ってくるので、一様にこれだけかかるとは言い切れませんが、それ相応の費用をかけてお米の栽培を大半の米農家は行っています。

たとえば、一般的な移植と言われる代掻きをして田植えをするタイプの稲作において、苗箱を使った育苗を行ってから田植えを行いますが、1枚当たりの播種量これが農家によっていろいろと異なる事が多い部分です。

播種の少ない人ならば、90g前後ですし、密苗などの多い人ならば300gほども使ったりもします。
その差は3倍以上ですが、田植え時に使う使用枚数によって、1反当たりに投下する種籾の量は大きく異なります。

例えば、JAなどで苗を購入する一般農家さんの場合、JAの育苗センターの方針によっても異なりますが、近隣のJAさんの話を聞くと1枚当たり約130g程度の播種量だといいます。

そして1反当たりの使用枚数は平均的に15枚程度と聞いておりますので

130g×15枚=1950gの種を1反に投下している計算となります。

仮に、乾田直播の場合、苗箱を使っての種籾の量の約1.5~4倍投下するとも言われており、3~8kg程度耕作者の感覚によってそれは設定されて播種されるようです。

例えば、この種籾の部分だけをとっても、1反にいくら使用しているのか?考えた事はあるでしょうか?

R7年の種籾は、一般的なものは700円代。ちょっとお高いものは800円代の費用が掛かっておりました。

800円と仮定して計算してみます。

1.95㎏×800円=1560円
3㎏×800円=2,400円
8㎏×800円=6,400円

種だけをとってもコレだけの開きが生まれます。

そして、川原農産が行っているファスティング農業による超低コスト水稲栽培に至っては、1反当たりの種籾の投下量は、多くて1.2㎏です。(200g/枚×6枚/反=1.2㎏)

1.2㎏×800円=960円

になります。

移植の場合は、播種時に床土を使います。

川原農産ではJAより軽量培土を仕入れており、R7の仕入れ額は1000Lで36,400円でした。

昨年は急遽田んぼが増えた事もあり、少しケチった形で、7000Lを24ha分の苗箱で分けた形です。単純に反別で割り返すと、1反に29.1L。これを6枚で割ると1枚当たり4.86L使用している計算になります。

1L当たり36.4円の床土を、29.1L使うという事は、床土の代金で1059円です。

種代と床土を合わせたとしても、2019円と言う計算になります。

もし同じ床土を使って、130g蒔きで15枚使用した場合。

4.86L×15枚=72.9L

72.9L×36.4円=2,653円

種代と合わせると4,213円となります。

川原農産の費用との差は、2194円と言う風になります。

もし、1ha違えば21,940円の差

10ha違えば219,400円の差と言う風になります。

一般農家さんは、より多くの資材を投入するが、川原農産はより少ない資材投下で終えている事がわかります。資材投下が減るという事はそれだけ作業量が減る事にもなります。作業量が減る事は人件費を削減する効果を生みますので、単純な資材費の差だけでなく、見えないコストダウンがプラスされてくるという事です。

農業は、自然相手の商売で、毎年どのようなリスクが起きるかは不透明です。そこで例えば霜に多少やられても大丈夫なように、鳥害に合っても大丈夫なように、リスクヘッジをかけて、少し多めに田んぼにいれておけば安心と言う心で、多く投下されていると思います。

ここが適切な投下量に持っていけない状態であれば、より多く資材投下をせざるを得ない部分であり、無駄がここに生じている事はお分かりいただけると思います。

おそらく、もっと安い床土があるという風にご指摘をする農家さんもいらっしゃることでしょう。

過去にいろいろな床土を試しましたが、川原農産が重点を置くところは、苗の生長に斑が無いか、元気に育つかです。

苗半作

これを考えた時、苗が以下に元氣であるかが後々の収穫量に左右する事は間違いありません。

作業性・苗立ち・生長斑、いろんな観点から多少高くてもより良い資材を使う事にしています。なぜならば密苗疎植で行っており、田植え時の使用枚数が少ないので、多少高い資材であってもそれほどの誤差を生まないからです。

より、良い状態で田んぼへ送り出してやる。この一点に尽きるかと思います。