移植における密植と疎植では、稲1株に対する使用できる土地の容積が異なります。
密植であれば少なく、疎植であればより多く利用できます。
土地を多く利用した中で肥料を断つこと、つまりはファスティングさせていく事を可能にしていると考えています。
疎植における考え方をざっくりとした数字で追ってみましょう。
【一般的移植の坪60株植の場合】
・1反=300坪
・300坪✕60株=18,000株
・18,000株✕3本=54,000本
・54,000本✕6本=324,000本
・324,000本✕90粒=29,160,000粒
・29,160,000粒÷1000粒✕20g=583,200g
・583,200g÷1000g=583.2㎏
・583.2㎏×0.85=495.7㎏
・495.7㎏÷60㎏=8.3俵
目指すところはこんな所じゃないでしょうか?
一反300坪に60株植で田植えをした場合、18,000株を植え付けた事になります。
1株に3本植えたとすれば、54,000本植えた事になり、それが6本に分蘖したとすれば、324,000本に増えます。
1本に90粒の籾がついたと仮定すると24,300,000粒ついたことになります。
1000粒重が20gと仮定すると583,200gとなりますので、㎏換算で583.2㎏が収穫できたことになります。
屑米等を引いて歩留まりが85%と仮定すると、495.7㎏の網上の収穫量となり、反収が8.3俵と推定されます。
【川原農産の密苗疎植のイメージ】
・1反=300坪
・300坪✕43株=12,900株
・12,900株✕2本=25,800本
・25,800本✕8本=206,400本
・206,400本✕120粒=24,768,000粒
・24,768,000粒÷1000粒✕20g=495,360g
・495,360g÷1000g=495.36㎏
・495.36㎏×0.85=421.1㎏
・421.1㎏÷60㎏=7俵
これが川原農産の、肥料を投下せずに密苗疎植で行う稲作のイメージです。
注目すべき点は、1反当たりの植え付け株数です。54,000株に対して、25,800株なので差引、28,200株の欠株田んぼともいえるのが、川原農産の田んぼです。
半分以上の欠株にもかかわらず、収穫量の差は、概ね1俵程度です。
あくまでも予測値ではありますが。
一般的な移植栽培では、肥料農薬を駆使して8俵を目指しますが、川原農産では肥料を断ち農薬の使用数を抑えて、1俵あまり収穫量を減らす栽培方法と言えるかもしれません。
一般的な移植栽培が、種苗費+肥料代+農薬代などの材料費を合わせると概ね2万円~3万円と推定されますが、川原農産ではでは、材料費は少ないところでは6000円~9000円以内で納まります。
少なく観ても、約1万円ほどの差益があるうえ、散布する為の人件費+機械代+燃料費+修繕費など諸々の経費も削減できますので、収穫量が少なくても十分に利益を得られる構図がそこにあると考えています。
◆密苗◆のターンでもお話しましたが、疎植を行う事で苗箱の使用枚数が1反でかなり抑え込むことができます。
現在川原農産では、苗箱は1反に対して5.5~6枚と言ったところです。
1反6枚と仮定すると、軽トラックに苗箱の運搬棚を積んで概ね60枚。そうすると半日1haの田植えが可能になり、1日で2haの田植えを行う事も出来ます。
育苗にかかる面積と時間も短縮し、苗の運搬と積み下ろしにかける時間も短縮し、肥料も散布しないので肥料の運搬積み下ろし時間もありません。
移植栽培において、密苗疎植は超コスト削減を実現する重要な技術だと私は考えています。
