えらい大口をたたきます。
過去30年振り返ってみても、日本の農業は振興しているとはいいがたい状況です。
では何が問題なのでしょうか?
私の感じる課題
①農業者人口の減少
②収益構造の不安定さ
③食への関心の薄さ
上げればまだまだ出てきますが、ぱっと頭に思い浮かんだのが最初の3つをあげました。
①農業者人口の減少
ここには、少子高齢過疎などの問題も絡んできます。
農業を含む一次産業は、都市部とは反対の地方で行われている事が大半です。都市近郊の農業は別として僻地のような地方において、一次産業は大事な産業の一つとなっているはずです。
しかし近年の流れは、農家自らが自分の代で終わらせて子どもには継がせたくないと、仕事としての魅力が伝わらず、損なわれています。
単純な話、収益性の悪さからゆとりある生活をさせてやれない、苦労が目に見えてわかるなら我が子にそんな辛い目にあわせたいと思わないのは当然ともいえます。
家庭内でも、この業界に対する愚痴が飛び交えばそれを聞く子どもも、何の魅力も感じないどころか、この業界自体への嫌悪感を増幅させるだけになってしまいます。
だからこそ、ゆとりある生活を送れて、魅力ある職業に変えていければ、この現象は止まります。
②収益構造の不安定さ
農家が収益を得るタイミングが、収穫後です。
収穫後に収益が偏ってしまっている点、市場原理によって生産原価を無視した取引が行われる点、豊作になれば暴落、不作になっても海外からの輸入に政治が動くので、ゆとりが残るだけの収益性が得られない点、などなど事業としてやっていくにあたっては不安要素が大きいわけです。
かつて、大手企業がこぞって農業参入を目指したことがありましたが、そのほとんどが撤退しています。大手の経営能力を持っても、農業経営をしていく事はたやすい事ではないという事です。
一番の問題点はココにあるのかもしれません。
もし、収益性が高くゆとりある経営と生活ができているのであれば、やめる農家はいないのではないでしょうか?子ども達にも自信をもって農業を継がせることができるのではないでしょうか?農業者人口が減ってきても、雇用を安定させることで、維持管理ができるのではないでしょうか?
収益構造が変わって安定したとしたら、農業の課題は一気に解決するのではないかと感じています。
③食への関心の薄さ
過去、私が習った授業の中で、日本は年間約2000万トンもの食糧を輸入していて、それと同等量の食品ロスが廃棄処分されていると習いました。
効率化を求めるあまり、失われているモノもそれと同等あるのではないでしょうか?
人は食べた物で体ができています。
食べ物への意識関心が薄ければ、その前段にある農作物への関心はもっと薄いと考えられます。
関心の薄い分野の事など、気に留める事も難しいのは至極当たり前です。
しかし、生まれたばかりの乳幼児をイメージしてください。
赤ちゃんは、自分で自分の体の生長に必要不可欠なものを、自分の力で選択することはできません。親や大人が考えて与えてあげなければ、子どもは自分の体を造っていくに必要な栄養を得る事が出来ないのです。
そして、子どもだけでなく誰しもが同じです。
こんな説教臭い事、言われんでもわかるけど、今の時代仕方がないじゃないかと逆切れする方もいるかもしれません。
もし、もっと身近に農業があったら。もし、いつでも触れて体感できる農業があったら、今の意識はもう少し高くなるのではないかと感じます。
そんな、誰しもが関われる農業を展開する仕組みを作れたら、日本の農業は変わる。私はそう考えています。
非農家の農業参入
これによって、日本の農業は変わります。
農家だけで、農地を維持して農業をし続ける事が難しくなっているのであれば、非農家にも農業に参画してもらう仕組みがあれば、農業は継続できる。
今までに農業に関心が無かった人も、農業に関わる事で関心は高まっていく。
収益構造を固定化された収益と、市場原理に基づく収益とのバランスが取れれば、農家は安定するし、市場も暴利な売価で食品が流通せずに済む。
農家の収益構造が安定すれば、雇用を生むことができる。雇用によって品質を上げた農業をに挑戦できる。挑戦した農産物は農協の安い流通に乗って全国へといきわたる。
全国に良い農産物が大量に出回るからこそ、人の身体は良くなり国家予算の40%を占める医療費が減る事になる。
こういった未来の日本を良くするきっかけが、農業や食にあると私は考えています。
これらを可能にする仕組み、Farm sharingです。